僕の夢の世界は、睡眠中の僕の思考の中で整合性をもって存在してる。
夢の中にルールがあり、それは物理法則や感情や感覚、地理や価値観、登場人物など全て含めて、その上に歴然と存在している。現実の覚醒している世界では絶対に有得ないことやものが、当たり前のものとして存在している。目覚めてしばらくすると忘れてしまうけど。
例えば。
太い、という感じと細い、という感じを同時に持ち合わせた人が出てくる。極端に太くもあり極端に細くもある人間。この感覚は、記憶としては今も思い出せるけど、再現することが出来ない。夢の中ではたしかに存在しているのに。
僕が僕であることも、明確ではない。僕が確かに僕である証拠はほとんど現れない。一人称の視点から逸脱することはないけど、その世界は僕の現実で知る世界とはまったく異質だし、出てくる人物もほとんどが現実では知らない人物ばかりだ。
登場人物はすべて顔が見えない。現実で知る人物が出てきたとしてもそれはすごく曖昧で、単に僕が知る人物だと認識しているにすぎない。たまにいつのまにか認識が変化し他人になることもある。僕が他人を曖昧にしか認識していないからかもしれない。個々であることに必要性を感じていないのかもしれない。実際、個々に認識すべきだと感じる人間は僕の周りに数人しかいない。 ヒトのにおいや雰囲気やカタチ。そういうものでしか僕は他人を認識できないのかもしれない。
その夢の世界には突然に死のイメージが現れる。僕は夢に死を見る。