24度目の誕生日に

僕らは、本当にたくさんのものを失ったような気になって、言葉を無くしたフリをして生きている。
失った事にしなければ、すべてが壊れてしまうから。
そうしなければ、言葉を失った理由が見つからないから。


自分の虚勢と傲慢に押しつぶされそうで、
間違った事を無かった事にしたくて、嘘を吐く。


ほんとうだった事が、真実となった嘘のスキマに押し込められた。


なにがほんとうだったかを、思い出せない。
僕は嘘のはじまりがいつだったのかを、覚えていない。


誕生日の日くらい、一番最初のほんとうを思い出しても良いでしょ?
これだけは、絶対なくさない。