ゲド戦記

「つまらないと言われている映画でも、心底期待しないで観れば意外と楽しめる」という常識を見事に打破する傑作。

主人公は冒頭で父親を殺害するが、その理由に内面的な必然を汲み取れない。「邪悪な外部の意思によって操られていた、らしい」として曖昧に片付けられる。

唐突に登場し、殺人を犯して放浪し、行方不明になって分裂する訳のわからない主人公に感情移入できるはずも無く、物語は主人公を中心に据えたように見せかけておいて全く別の場所で意味不明なまま進行し、大して盛り上がりを見せずに意味不明なままに終わる。

テルーの歌は良かった。それだけ。