「コミュニケーション能力に欠ける」といわれるたびに「それはお前だろ」と思う

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感情論という言葉を聞くとどうしても「感情」が問題だと思いがちです。「感情論ではなく論理性を重視しろ」と言うと、無機質で暖かみがなく、つまらない机上の空論を思い浮かべがちです。そうではありません。感情があるのが問題なのではなく、論理性がないのが問題なのです。

多くの日本人は「論理では伝わらない」「心をこめた感情は伝わる」と思っています。これが間違いのもとです。いくら感情を込めても伝わらないものは伝わりません [1] 。想いを確実に伝えるには言葉、もっと言えば論理によるしかありません。少なくとも議論の場はこういう前提にたっています。言葉の力をもっと信用して下さい。

コミュニケーションとは人と人との対話であり、どちらか一方に問題があればコミュニケーションは成り立ちません。コミュニケーションが成立しない原因はもしかしたら相手ではなく自分にあるのかもしれません。相手はきちんと人の話を聞いて自説を修正しているのに、自分の方が勝手な思い込みで「自説を唱えるだけ」だと決め付けているのかもしれません。自分の方が悪いのかもしれないと考えずに、相手が悪いと一方的に決めつけるのはよくありません。

問題の根本は「コミュニケーションはとれて当たり前で、とれないのは悪いことである」という考え方です。コミュニケーションとはそんなに簡単なものではありません。人の意見を聞くというのは、自分の意見との落差が大きいほど難しいことです。しかし落差の大きい意見ほど聞く価値があります。価値のあるコミュニケーションほど難しいのです。もしあなたが他の人と容易にコミュニケーションが取れているとしたら、それはあなたが容易にとれるような価値の低いコミュニケーションしかしてこなかったからです。

親友くらいいるよ。