「嫌な人は見ないでください」
ウェブで公開されている文章で「嫌な人は見ないでください」というフレーズをたまに見かける。
この一文は、文章を「嫌」だと感じる人に対する親切な警告ではない。
書き手の想定する「嫌な人」とは、文章に対し否定的な意見を持つ人間である。書き手が「肯定されることを望む」場合、そのような人間からの意見を書き手は「否定的でネガティブな意見」として受け取り、そのような意見を目にしないことを望む。
このため、書き手は「嫌な人」に対しあらかじめ警告を行い、「嫌な意見」をシャットアウトすることを試みる。
実際に警告を無視し、ネガティブな意見を書き込むものに対してはこのようなレスポンスを返す。
「嫌な人は見ないでくださいと警告したはずです。」
「嫌な人は見ないでください」とは、反論や批判をシャットアウトするためのレトリックである。
このような前置きを置いてしまうのは、反論、批判が「嫌」という感情的な反応であるとしか捉えられない幼稚な思考が原因であり、建設的な議論、反論や批判に慣れていない証拠である。
幼稚な警告によって他人の発言を統制できるなどと考えるの浅い人間はウェブに文章を公開するべきではない。
修正
もともとこの文章は別の場所に投稿したものですが、そのときはある特定の人物に対して書いたものでした。
その人物は主張の強い人間で、他人の批判もよく(オンライン、オフラインに関わらず)行っていたので、そういう人間が自分の記事に対してはこのような注意書きを付け加えているのが気に食わなかったわけです。
その人物をふまえた上でないと意図が読めないので、蛇足の部分は削除しました。